あのトモ

- 本に出てくるあの娘ぼくがトモダチになろうっていったらどんな顔するんだろう -

鼻行類 - この本は嘘なのか本当なのか

鼻行類―新しく発見された哺乳類の構造と生活 (平凡社ライブラリー)

鼻行類―新しく発見された哺乳類の構造と生活 (平凡社ライブラリー)

鼻で行く類のものと書いて、鼻行類(びこうるい)とよみます。

サブタイトルに「新しく発見された哺乳類の構造と生活」とあるとおり、これは鼻に特徴のある、トガリネズミ程度の大きさの、へんな生き物について書かれた本です。けっこうキモいです。

ハラルド・シュテンプケという人物の死後に、友人である動物学者、ゲロルフ・シュタイナーがまとめ上げたものです。

鼻行類 - Wikipedia

だいぶ堅めの図鑑か、軽めの学術的レポートといったところでしょうか。鼻行類の中での区分けが行われていて、それぞれに詳細な性質の説明が添えてある、くそまじめな内容です。挿絵がキモいです。

さてこの本、何より一番大きな問題は、本当にそんな生き物が存在するかどうか、ツチノコ程度の信憑性しかないということです

それというのもレポート内で紹介されている、シュテンプケ博士が鼻行類を発見した島は実在しない(あるいはまだ発見されていない…)し、発表から数十年経過していますが、他の地域でも誰も鼻行類を見たものはいないからです。たまに「みた」という人が名乗り出ますが、ツチノコ程度の信憑性しか無いのは事実です。さらに言うとシュテンプケ博士自体も眉唾の存在です。

誰が、何のためにこんな本を作ったのか。

いや、誰もその存在を証明できていないということは逆に言うと、鼻行類は実在するかもしれないという見方をして、それまた真面目に調査・考察する人もいることにはいます。

でもこれ、学者が本気出してふざけてみたっていうシロモノだろうよ、と私は思います。夢がなくてすみません。実在したらキモいのでちょっと嫌です。その好みのところも、わたしの態度に関係しているのでしょう。

本書はあとがきの最後の最後まで、解説の人までぐるになってこの部分については、非常に曖昧に濁してあるのが、ニクいところです。みんなおふざけが好きだなあ。そんな人間の性質は、嫌いではないです。

また訳も絶妙なんです。 すごく本当にありそうな感じになってる。例えば種としてはビコウルイと読ませるけど、地域ごとの亜種として特別分けて読むときは〇〇ハナアルキとするところとか。生態の説明の仕方の文体とか。とか。訳者もこれ、楽しかったんだろうなー。

深海なら結構どんな姿の生き物がいたって驚きはしないけれど、陸上でコレって…本当にいるのかな、鼻行類。キモかわ…いやキモいな。

でも多分、ほんの1ミリだけ期待している自分がいます。


後日談

この記事でキモいキモいと連発していたばちが当たったのか、翌日鼻風邪になってしまいました。

鼻行類怖い…

ちなみにこの本によると鼻行類の中には、自身の鼻水を使い、水中の生き物を釣り上げて捕食するタイプのものもいます。バラエティ豊かですね。