あのトモ

- 本に出てくるあの娘ぼくがトモダチになろうっていったらどんな顔するんだろう -

Memoirs - おとうさんに会いたくなった

わたしは普段から父親とは仲が良い方だと思いますが、この週末は特に「おとうさん」に会いたくなりました。

そのきっかけのひとつが Memoirs という冊子。現在開催中の三条富小路書店に行き、棚の上にそっと置かれたこの優しい小編に出会いました。

いしみちよ さんという個人の方の作品です。

あらすじ・感想

わずか10ページほどの内容ですが、いしみちよ さんの手による柔らかなイラストと、お父さんに語りかける優しい文章にほっこりさせられました。詳しい内容は書きませんが、いしさんが幼い頃におとうさんと過ごした印象的な思い出を持ち出しては「おぼえていますか?」と問いかけるお話でした。

問いかけの文体に癒される

なぜかはうまく説明できないのですが「おぼえていますか?」っていう丁寧語の問いかけの文体がとっても優しく、微笑ましいものに思えて癒されました。

こどもから父親に向けた言葉だからなのか。いや、それだけじゃない気もします。大人になったこどもが父親に向けているから、なのかもしれません。

私は丁寧語が持つ、程よい距離感が好きなのかもしれません。人によっては「距離をおかれているようだ」とか「冷たい」とか「方言とかタメ口の方が気が楽だ」とか意見はあります。しかし丁寧語はなんというか、分をわきまえている控えめな感じがいいと思うんです。それでいて、相手を人間として尊重している姿勢も感じられて。こどもが大人になって、両親を見る目が変わってきてからの、柔らかい丁寧語ならではの響きが心地良いんだと気付かされました。

帰り道と余談

おとうさんに会いたくなったもうひとつは、その足で向かった LOFT で creedence clearwater revival の “have you ever seen the rain” が流れていたからです。

彼は運転が好きで、ドライブ中に自分で編集した音楽を流します。それはカセットテープの時代からいまはCDとなっても変わらない習慣です。ジャンルはごちゃまぜ。日本のヒットソングから(そんなミーハーなのを聴くの?...シュミ疑うわというものから)アコースティックなものまで幅広いのですが、なかでも古き良きアメリカのロックミュージックをかけて、それを口ずさんているときはひときわ運転している姿が格好良く見えるのでした。”have you ever seen the rain” もそんな一曲です。

ただ切ないメロディーと綺麗でシンプルな歌詞なのかと思いきや、ベトナム戦争の時期に発表されるも発売禁止処分を受けた、歴史的背景のある曲だということは後で知りました。 その時代の少し投げやりというか、退廃的というかそんな空気はこうして後世にも滲み出て伝わっている気がするのですが、どうなんでしょう。今の世の中は彼らにとってはどう映っているのでしょう。年末にでもおとうさんとじっくりと話をしてみようと思いました。


Creedence Clearwater Revival - Have You Ever Seen The Rain (Lyric Video)