あのトモ

- 本に出てくるあの娘ぼくがトモダチになろうっていったらどんな顔するんだろう -

タイタンの妖女 - 地球人の事を想いすぎてだれよりも地球人になってしまったロボ

カート・ヴォネガットタイタンの妖女」からサロ

本を通してたくさんの人物と出会ってきたなかで、はじめに検討したいとパッとでてきたのがかれだった。何故ならかれにはなんとかトモダチを与えてあげたいと思ったからだ。

タイタンの妖女」でかれが出てきてからのその振る舞い、結末に思わず涙してしまった。(ここが涙腺崩壊ポイントだった方とわたしは少なくともトモダチになれると思う)

ひとごとには思えない切ない気持ちをかれからは感じとってしまったのである。 

イメージ - がんばってふくらます -

わたしの脳内ではこれ。というかわたしの能力の限界ではこれ。

まずさ、ジンバルってなんだ ..

胴体とジンバル?はもっと小さい方が機能的かもしれない。

f:id:peephole89:20160930000942j:plain

スペック

・年齢は地球流の数え方で一千百万歳

・小マゼラン星にある別の島宇宙のひとつトラルファマドール星出身の機械

・身長は4フィート半(約137cm)

・趣味は地球人の日常をテーマとした彫刻、タイタンひなぎくの栽培、地球人観察

・はるか宇宙の彼方へ首から下げたメッセージを届けるという使命をおっている

・ただしこのメッセージは届けるまで絶対に開けてはならない

 

サロは祖国トラルファマドール星では最もイケメンだったため、星を代表してメッセージを持った使者としての役割を与えられた。

トラルファマドール星はかつて地球人によく似た生物によって治められていたが、かれらは面倒な事を片っ端から機械ヘ移譲するようになり、最後にはとうとう生きていくことまで面倒になって、自らを機械たちに殺すように仕向けてしまった。そうして大量の機械たちだけが残された星になった。(こういう皮肉な設定はよくヴォネガットの作品ではみることができる。わたしはそこでいつもニヤッとしてしまう。)

機械たちは地球人のそれとはことなる心の構造を持っている。全体で同じ感情をことばなしに共有出来る。

そんなサロを乗せた宇宙船は部品の故障のため、目的地の手前、銀河系は木星のそばのタイタンという星に停留することになる。そこでサロはかつて地球人であった男、ラムファードと出会う。(かつてのいみはぜひ本編で確かめて欲しい、ラムファードの設定もおもしろい)

機械たちには友情という概念がないため、地球人の間に存在するというそれがどんなものなのか、サロは非常に興味を抱いていた。サロはラムファードと友達になろうとした。サロはラムファードと友達になりたかった

しかしトラルファマドール星の仲間たちは地球人をサロへ伝えたいメッセージの伝達手段として利用してきていた。実は地球人たちの歴史は、トラルファマドール星人たちが、サロへなにかメッセージを伝達するときに、その手段として無理やり操作されてきたものだったのだ。たとえばイギリスにあるストーンヘンジもそのひとつであるという。

サロは地球人たちの行動が興味深くてしょうがなかった。地球人の日常を彫刻作品にし、タイタンの地表に兵馬俑さながらの風景を作りだしていた。このようにサロはタイタンであまりにも地球人たちのことを観察し、知ろうとし、ラムファードと友達になりたすぎたしかし地球人であるラムファードは自分たち地球人を利用していた小賢しい機械を友達だとはみなせなかった。ラムファードはサロに冷たく接し、そのままわかりあうことなく消滅する…

 

考察 - ポイントはけなげさ -

読んでいない人のために詳細は省く。しかし哀れなサロはラムファードとトモダチになるために機械のアイデンティティと、祖国の使命をかなぐり捨てた行動をとる。その姿には感動を覚える。また読んでいない人には申し訳ないけど「ああもう遅すぎるよバカ!!」と泣きながら叫びたくなる。このシーン、涙腺崩壊。けなげすぎる

わたしはまわりの考えていることに共感するのが得意ではなく、わたしの心は機械みたいなものだと思ってきた。でもそれはなんとなくさみしかった。機械みたいな心は空虚さがあった。トモダチになりたいなってこがいても、ついに理解し合えるみたいに思えることって無理なんじゃないかと諦めがあって、結局遠巻きにしてきた。

ヒトなんてきっと互いに完全に分かりあうことは無いんだろうけど、その中でけなげにも熱い生き様を見せつけてくれたサロ

ちょっと依存されそうでメンドくさそうだし、わたしとサロの空虚さでネガティヴに盛り上がったら一層皮肉な空気になりそうだ。

しかし面白い彫刻を作る観察眼はユニークだし、いざという時には大胆な行動だってできちゃうんだから、頼りになる。そんなほどほどなトモダチになれそう。

こんな宇宙人きっとほんとうにいるはず。いたら何を話そう?このけなげさ、どうかな。