あのトモ

- 本に出てくるあの娘ぼくがトモダチになろうっていったらどんな顔するんだろう -

ニューロマンサー - ディストピアを渡り歩くクールでハードボイルドな女殺し屋

ウィリアム・ギブスンニューロマンサー」からモリィ

本作を読み終えた直後だからこの作品を取り上げるけど、なかでも検討するならモリィかなと思った。サイバーパンクというジャンルを作り出したという本作は、かなり読みにくい。ギブスンの世界観の描写はちょっと斬新すぎて通常のアタマじゃあすぐに追いつけなくなってしまう。読んでは立ち止まり、ええと、きっとこれはこういう材質に違いないとか、たぶん iPad 的な端末だろうこの道具はとか、確認作業が必要になる。キャラクターも同じで、何着てんだよこいつ、ってなるから忍耐は必要だ。

そんな異世界でとくに個性が輝いて見えたのは今回のモリィ。何度も脳死して脳波が水平状態になったことから "フラットライン" の異名を持ち、肉体は死んだけど一部精神がROMの中で生き続けている男と悩んだけど。(こちらのキャラクターも性格と設定がイイ)

イメージ - すごくがんばってふくらます - 

わたしの頭ではこんな人物。というかわたしの能力の限界ではこれ。

(... このブログによって画力が増す予定)

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特徴

・通称 "剃刀女" または "段々剃刀"

・目には銀色のレンズが埋め込まれている

・目のレンズを通して見ると外の世界の手前に電子ディスプレイがある状態となり、時刻やコンピュータからのメッセージが表示される仕様

・誰も瞳の色を見たことがない

・ノースリーブの防弾チョッキを直につけた上に光沢のないジャケット、それに体にピタッとした黒のレザーパンツとカウボーイブーツを合わせている

・赤紫色のつめ先には伸縮可能な剃刀が仕込まれている

・過去に敵の "ニンジャ" によって大切な人が殺されている

クール

作中で職業は明らかにされてはいないが、ヤバいやつに雇われて、ヤバいことを行うことを繰り返してきた人物。潜入や盗み、殺しまで対応している。

過去の話はほとんど出てこない素性の知れない人物だが、会話の端々から任務に対して完璧主義なことがうかがえる。男と対等か、それ以上に振舞っているクールな女。

ファッションの感じからセクシー路線なんだと思う。

考察 - クール、でも結局弱い -

ウィリアム・ギブスンが「カッケーなー」っておもう女性像をそのまま描いたのかもしれないなんて思う。それによく、米国のエンタメにこういう女性、好まれて描かれているきがする。強くてクールでマッチョでセクシーな女。男でこれだったらキャラクター的に面白みがないけど、あえて女性をこういう設定にしておいて、男性キャラクターにすこし三枚目の要素をいれるくらいの作品をよく見て気がするし、なんかそれで楽しかった気がする。本作然り。なんだろうこの法則。しかしこの手の女性は日本じゃああまりモテないタイプだ

さて、モリィはいちいちセリフや振る舞いがクールだ。(これが男性だったら少しうざいかもしれない)仕事ぶりも鮮やか。超人ぶりを発揮しまくるのだが、実は大事なところで毎回弱い。(そこで三枚目男性ヒーローの出番となるのだけど)

侵入任務の途中で骨折したり、ラスボス戦ではクールに決めたかと思わせといて次の瞬間捕らえられていたり…両目の義眼に対して"泣きたい時はどうする"というツッコミがはいれば、"泣かないもん"なんて言ってみちゃったり…

そう、強がっている(そしてある程度強い)けど、意外と本番に弱いから結局助けてあげなきゃいけないキャラクターともみれるのだ。しかも自分から助けを求めることは自分の誇りのためにするのを嫌っているからしないくせに、いざという時勝手に助けてくれる仲間を見つけているタイプだ。

意外と女子なところもあって、冒頭、主人公がボーッと武器屋を見てたのを目撃したモリィは後日、欲しそうにしていた手裏剣を主人公にプレゼントしちゃったりする。

わたしは割と男社会な環境で働いているけどこんなタイプの女にはなりたくてもなれないから、全く芸能人のような個性の塊としてモリィを捕らえた。共感は出来ないし、強がってヘマするのが全然可愛くないけど、ハードボイルド的な世界観には御誂え向きの女だと思う。トモダチにはなれないかな。殺されちゃいそうだし。きっとモリィはトモダチはいらないタイプだろう。嫌われそうだし、感情で任務をダメにしたくはないだろうし。

現実世界にもいるのかしら、こんな女。仕事で会ったらめんどくさそうだ。仕事はできそうな人だからいい感じに仕事を振れたら有用な人物だろう。このひと、女同士ならどんな会話するんだろ。どうでしょう。