あのトモ

- 本に出てくるあの娘ぼくがトモダチになろうっていったらどんな顔するんだろう -

モチベーション革命 - 稼ぐために働きたくない(たぶん、私たち...)世代の解体書

Amazonプライムでそのままダウンロードできたので読んでみました。いつもだったら手を出さないようなジャンルですし、(絶対にこちらには響かなそうな、大きなことを言いそうな人だなあ、となんとなく)手を出さないような人の書いた本ですが、ライフ・シフトを読み終わったそのテンションで、「乾けない世代」の一人として取り組んでみました。

ライフ・シフトでは「好き」なこと「やりたいこと」をどうやって見つけたらいいか、というところまでは面倒を見てくれませんでしたが、本著では結構そこに踏み込まれていました。

ライトな文体で読みやすく、読ませるように書かれているのでサッと読めてしまいました。4章仕立てで以下のようになっています。

  • 「乾けない世代」とは何か?
  • 偏愛こそが人間の価値になる
  • 異なる「強み」を掛け算する最強チームの作りかた
  • 個人の働き方

概要

「乾けない世代」とは、生まれた時からモノが周りに溢れていて、不自由なく育った世代のこと。彼らは出来上がっている世界に生まれたので社会を作り上げて行く実感にかけ、マーティン・セリグマンの「5種類の幸せ」分類のうち「達成」や「快楽」という動機では動きません(モチベートされない)。その代わりに残りの3つ「良好な人間関係」「意味合い」「没頭」をより重視します。

そんな世代含む我々が生きるのは「課題自体を発見したり、新しく課題を定義したりすることに投資するべき時代」、言い換えると「インサイト(新しい視点)」をすくい上げる時代です。そのためには、個人それぞれが生活の実感に沿った新しい視点を持つことが求められます。

仕事はどんどん人工知能に取って代わられますが、その中で人間のみが持つ代替不可能な領域は人間の「嗜好性」です。

一見非効率に見える人間の『好き』を突き詰めて、その『好き』に共感する人が『ありがとう』とお金を払ってくれる”偏愛・嗜好性の循環” こそが残っていく

と言います。そのあと今後の社会で求められる組織のマネジメントの話が続き、現在『好き』なものがない人、あるいは弱い人に向けた『好き』の育て方の話になり、「ワークライフ」ならぬ「ライフワーク」の領域(ライフ寄りのワーク)を広げてゆくことが重要として締めくくっています。

所感

「乾けない世代」と言ってみせたこと

私の世代の特徴を「乾けない世代」という言葉で切り出して見せたということが、この本の功績だと思います。本当に著者の言う通り、上の世代や新興国の若者たちは「乾いて」いて「達成」「快楽」というものに向かい、特に深く考えずとも頑張れるのか、眉唾ではあります。しかし、少なくとも私の実感として「何をやっても既になされている感」があるのは確かですし、根拠のないモチベーションも湧いてこないことも確かです。 「乾けない世代」という言葉は、異なる世代に向けて、自分の見える雰囲気を伝える道具として使えそうです。

余談ですが正直、組織のマネジメントの部分と、後半の現代の世の中の特徴を分析して見せるところは本筋ではない気がして斜めに読んでしまいました。(構成的にざんねんでした)やっぱり一端の成功者と言われるような人が、自分はこんな働き方してて、その原点はここで...みたいな自分語りが混ざる内容の本は苦手でした。

好きなこと育ててこうぜ

「乾けない世代」が経済の中心となってきたこの時代はあらゆるモノや無形の価値が出尽くされています。さらに今後、仕事はA.Iに取って代わられ、寿命はどんどん伸びて行きます。その中で生き残って行くためには、ひとりひとりの「好き」なことや、「歪み」(他人とのズレ、個性です)を育て、誰も見たことのない「新しい意味」として(わざわざその楽しみ方まで)提示してゆくことが求められる、と読むことができました。 ちょっと具体例にかけ、ふわっとした印象はありましたが、不確かなことばかりの世の中だから、唯一確かな 好きなこと、育てていこうぜ と言うメッセージが、読後に残りました。

未来の働き方

仕事というものについて、私は「他の人もできるだろうけど、あえてやりたくはない(どっちかというと他にやりたいことがあるから)内容の作業を、その他の人よりはやりたい(あるいはやってもいいと思っている)気持ちが高い人が、お金を貰って代わりにやること」なのかな、ってぼんやり思っていましたので、筆者のいう次の内容はしっくりときました。

これからの仕事で大事なのは、自分にとって得意なことで、いかに相手にとって「有ることが難しいこと」を探し当て続けるか、ということ

また、引用で使われていた、任天堂の故・岩田元社長の言葉にふむふむ、となりました。

「労力の割に周りが認めてくれることが、きっとあなたに向いていること。それが自分の強みを見つけるわかりやすい方法だ」

アンテナが弱っている

ライフ・シフトといい、こう言う本ばかり読んでいる暇があれば、具体的に好きなことをする手を動かし、そのコミュニティへ向かうべく足を動かしていけよ、つまり無形の資産を増やす活動をしろよと言われているような感じでした。いつの間に外へ出ることをしていませんでした。

さらに、本著の組織のマネジメントのパートで紹介されていた「偏愛マップ」(「音楽」「小説」など自分の好きなものを単純にマインドマップ化したもの)を「Simple Mind+」というアプリで作成してみたのですが、「好き」の内容が数年前と比較しても大してアップデートされておらず、がっかりしてしまいました。「好き」に対するアンテナの感度が弱っていたことに気づけてよかったです。アップデートしていきたいです。

おまけ

本著で紹介されていた、Twitterで流れてきたという、ikigai diagram を載せてみます。好きなこと、求められること、稼げること、得意なことの真ん中にそれがあるという説明だそうです。